テレビもインターネットもない松本の山中で、ひたすら土を耕していますが、東京に戻り、新聞に目を通し、テレビの情報番組を見た途端、現実にもどり、放射能汚染の問題が、250キロ先の話ではなく、身近なところまでかなりの汚染が進んでいることを知り、心が痛みます。

　最近は、経済成長至上主義が徐々に復活して、節電による生活の見直しも、どこか過去の話となりました。
　「このまま経済成長を求め続けると、100年後に地球は、人間の住める惑星では無くなる恐れが有るのに、それでも経済成長は必要ですか？」と小渕内閣時代の経済審議会（経済成長を審議する）で、当時の東大の松井孝典教授（惑星物理学）が発言したことを、翌日の朝日新聞の社説が取り上げていました。

　少しばかり農の片隅にいるだけでも、現在の異常な気象 ― 日本は既に亜熱帯化しつつあるように感じますし、最近、魚沼のコシヒカリに負けないのが、北海道のコシヒカリだと、食して実感します。
　今年の夏は、高温の長期化で不作だった作物も増えているようですし、この現象は、毎年恒例になってしまった感があります。
　奈良、和歌山の土砂災害も、無縁ではないように思います。
　永田町も霞ヶ関も、一時的な異常気象で逃げ切ろうとしている様が残念です。

　いずれにせよ、いろいろな面で、個々人のライフスタイルを根底から見直すことが議論され、今後も更に価値観の変革に大きなバックアップとなる「菜園家族」構想を、できるだけ多くの方に理解していただくこと、期待しております。
　また、この構想は、脱米国流（イギリス産業革命以来の）価値観とも重なると思いますが、現在、脱米国流に悩んでいるのが、米国そのもののような気もします。
　この「菜園家族」構想を、米国人にも読んで欲しいと思います。きっと何らかの大きな反応があるのでは、とも思います。
　米国でしかるべき話題になり、逆流すると、真剣に受け止めるのが、残念ながら日本式のようですから。