長編連載「いのち輝く共生の大地―私たちがめざす未来社会―」第7章
長編連載
いのち輝く共生の大地
―私たちがめざす未来社会―
第三部 生命系の未来社会論 具現化の道
―究極の高次自然社会への過程―
第7章
「菜園家族の世界」―記憶に甦る原風景から未来へ―
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長編連載「いのち輝く共生の大地」
第7章
(PDF:661KB、A4用紙15枚分)
甦る大地の記憶
心ひたす未来への予感
この長編連載では、21世紀“生命系の未来社会論”具現化の道である「菜園家族」社会構想を深め、考えていくのであるが、この章では、一旦、概念と論理のみで展開する抽象レベルの叙述を避け、まずは、記憶に甦る原風景から、「菜園家族の世界」の原形を身近にイメージできる「具体的世界」に描くことからはじめよう。
ところで、画家・原田泰治の“ふるさとの風景”は、現代絵画であると言われている。日本からは、もうとっくに失われてしまった過去の風景でありながら、そこには現代性が認められるという。
たしかな鳥の目で捉えるふるさとの風景の構図。しかも、心あたたかい虫の目で細部を描く、彩り豊かな原田の絵画の世界には、きまって大人と子どもが一緒にいる。大人は何か仕事をし、子どもたちはそのそばで何かをしている。
人間の息づかいや家族の温もりが、ひしひしとこちらにむかって伝わってくる。込みあげてくる熱いものを感ぜずにはおられない“心の原風景”が、そこにはあるからであろう。
21世紀をむかえた今、子どもと家族の復権を無言のうちに訴えかけてくる。