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2006年
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『四季・遊牧』上映会&「菜園家族」構想の
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準備中
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本格的な夏を目前に、このところ、たいへんな大雨続きの毎日です。
そんな中でも、大君ヶ畑のおじいさん・おばあさんの畑では、野菜の背丈がグンとのび、キュウリやジャガイモが実っています。
さて、先日、7月12日(水)に、滋賀県八日市の中心街からほど近い、中野区の公民館へ、『四季・遊牧』の上映と講演に招かれ、行って来ました。
午後からのこの会には、地元のおばあさんを中心に、30名ほどもお集まりいただきました。『四季・遊牧』からは、遊牧民の少女ハンドが、ヤギの乳搾りに、のびのびと駆けまわるシーンなどを上映しました。
公民館長の水上先生によれば、このあたりは、以前は、意外にも近くに森が繁り、田んぼや畑も広がっており、また、家族で営む昔ながらの商店街が立ち並び、栄えていた土地柄とのこと。
だからでしょうか、遊牧民の少女が、家族とともにふるさとの自然の中で生きる姿は、この会にご参加されたみなさんにとっては、不思議な懐かしさを呼び起こすものでもあったようで、時折、共感にも似たあたたかな笑いが、会場を包みました。
上映後は、小貫先生から、「菜園家族」構想のお話があり、みなさん、熱心に耳を傾けて下さいました
そして、とても印象的だったのは、会の終わりに、水上館長さんが語られたことです。
「現代社会の仕組みの中で、今、大人は、夜遅くまで多忙を極め、精一杯の状況です。そのような若い家族と、祖父母の世代とでは、生活パターンがずれ、孫も含め三世代で同居していても、毎日、みんなそろって夕餉の食卓を囲むことさえ、なかなか難しい、そんな時代になっています。
このような働き方、暮らし方の変化の中で、地域社会は、ますます空洞化していっています。
それでも、今、人と人とのあたたかな交流を地域に取り戻すために、身近なところで、世代を結び、この地区ではじめられることがあるのではないでしょうか。放棄された田んぼや畑も、少なからずあります。それを活かした取り組みができるのではないでしょうか・・・・・。」
館長さんは、そのように語りかけておられました。
このことは、いろいろな地域で、今、誰もが実感し、何とかしてゆきたいと願っている、共通の課題だと、ずっしりと感じました。
そしてまた、長年にわたって教育に携わってこられた視点から、子供たちの未来を見つめての深い思いであると、受けとめました。
本来、人が働き、暮らし、子供が育ちゆく場であるはずの地域を、今、どのように甦らせてゆくのか。地区という最も身近な規模で催していただいた、この小さな上映会で、大切なことを学ばせていただきました。(伊)
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真夏の暑さもようやく和らいできた初秋の9月4日、さわやかな青空のもと、「里山研究庵」より南西へと車を走らせ、日野町で開かれる『四季・遊牧』上映&「菜園家族」構想のお話の会に出かけました。
会場は、昔ながらの商店や町屋の連なる風情ある町並みの一角、西田邸という古民家です。
西田邸は、もともと、いわゆる「日野商人」のお宅でしたが、ご家族の方はみな外へと出られ、空き家となっていたところを、今、地元有志のみなさんが、その再生に取り組みはじめておられます。
すでに5月には、この古民家に残された「おくどさん」を復活させ、ご飯を炊いていただく会が催されたそうです。
「おくどさん」との出会いが、「食」ということ、「生きる」ということを、もう一度ゆっくりと見つめる機会になれば・・・、そして、今後、この古民家を地域の中でどう活用してゆくのかについて、ゆっくりと語り合いながら探ることができれば・・・。そんな想いから、11月頃を目処に、『四季・遊牧』(三部作・全6巻、7時間40分)の「お弁当二つの上映会」を開くことを企画されたのです。
9月の今回は、その準備会。日野で自然農に取り組む“ニルギリハッピーバレー”の竹内滋さんご夫妻をはじめ、発起人のみなさんを中心にしながらも、近隣の町からのご参加者も含めて15名もの方々が集まられ、ダイジェスト版・後編(1時間40分)を鑑賞しました。
お座敷にスクリーンをはっての、あたたかな手作り上映会。私たちにとっても、初めての体験です。
ほのぼのと、何だか懐かしさを覚える空間で、畳に座っての鑑賞というのも、不思議と心がゆったりと落ち着いて、また、よいものですね。
映画が終わると、ちょうどお昼。「おくどさん」からは、香ばしいご飯のかおりがします。パチパチと薪の燃える音、ちらちら揺れる赤い火は、久しく忘れていた「食」の原点を思い起こさせてくれます。
この何とも贅沢な「ご飯」と、みなさんが持ち寄って下さった手作りの郷土料理の数々が、ずらりと並べられ、箱膳でお昼をいただきながら、いろいろと話が弾みました。
加藤さん・山田さんら「ひのきの会」の女性のみなさんは、次々と失われてゆく古民家とその町並みを、何とか地域の今に活かしてゆきたいとの願いを語っておられました。
地元の植物を丹念に調査する、地道な自然観察活動に取り組む「マルバの会」からは、80代の大先輩お二人がご参加されました。
一方、近江八幡からご参加されたのは、喫茶店「茶楽」を営むお母さん店主さんとその幼い息子さん、そして、スタッフの方々という、若い世代の皆さん。
まさに三世代を結んでの、楽しく生き生きとした会となりました。
今回、あらためて実感したのは、家というものは、こうして人々が使い、「おくどさん」に火が入ってこそ、「いのち」が吹き込まれ、生きてくるものなのだということです。
これから、この古民家が、何らかの形で、人と人、世代と世代を結ぶすてきな活動の「場」として、地域の中で息づくようになれば、すばらしいなあと思いました。(伊)
*前述のように、この日は、準備会。本番の「お弁当二つの上映会」は、来る11月26日(日)10時から、同じく古民家・西田邸にて開催されます。「おくどさん」で炊いたご飯をいただきながらのゆったりとした一日。どうぞ皆さん、お誘い合わせの上、お運び下さい!(詳しくは、 「掲示板」へ。)
**後日、近江八幡の「茶楽」さんを訪ねたところ、古い蔵を上手に活かした、手作りのあたたかなお店でした。窓からは、八幡堀の風景をゆったりと眺められます。何でも一つ一つが丁寧で、ポットで入れていただいた紅茶も、だからたいへん美味しかったのだと思います。沖縄・島唄のライブや絵本を読む会を開くなど、ユニークな文化活動の場にもされているそうです。
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