『四季・遊牧』上映会&「菜園家族」構想の 講演・学習会(2009年)
a 「菜園家族」構想から学ぶ in 真崎邸・ホール (滋賀県近江八幡市新左衛門町 3月21日)
2009年3月21日(土)の午後(13:30〜17:00頃)、滋賀県近江八幡市の町家を市民活動のスペースとして再活用している真崎邸・ホールで、「菜園家族」構想から学ぶ集いが開かれました。
実は、会場となるこの町家は、以前、滋賀県立大学で開催した「菜園家族の学校」でおなじみだった生チーズを作っておられる、弓削牧場(神戸市北区)の奥さま・和子さんのご実家なのです。
この集いは、弓削牧場が主催し、近江八幡で市民農園の活動をスタートさせようと動き出しているまちづくりスペース「水と風と土・そして人と」(西村喜一さん・中島由利子さん)がご準備に当たられました。
当日は、農の営みを土台に地域づくりに取り組むさまざまな地元・近江八幡の市民活動(権座・水郷を守り育てる会,水茎町夢の郷委員会)の事例発表もありました。
以下、ご案内チラシから、プログラムや内容の要旨をご紹介します。
詳細は、チラシ(PDFファイル)をダウンロードしてご覧ください。
◆◇◆分かちあいの世界へ「菜園家族」構想から学ぶ◆◇◆
〜都市と農村との共生をテーマに、農あるライフスタイルや 田舎暮らし、“菜園家族”構想を学び、これからの農業の あり方を考えます。〜
☆プログラム☆ 第1部 <あいさつ> まちづくりスペース「水と風と土・そして人と」 代表 西村喜一さん <講演> 森と湖を結ぶ「菜園家族」 講師 小貫雅男(里山研究庵Nomad主宰) 伊藤恵子(同上 研究員) <ビデオ上演>『ハローニッポン 伝えたい!田舎で暮らす素晴らしさ 〜ジェフリー・アイリッシュさん(アメリカ)〜 鹿児島県川辺町』 (20分、NHK総合テレビ2001年5月25日放送) アメリカの青年が、鹿児島の小さな農村に惹かれて住み込み、地域のおばあさんに野菜の作り方などを教わりながら、日本の田舎暮らしを実体験しつつ、地域に溶け込んでいく姿を、ほほえましく映し出している。外国人の目を通して、私たちの暮らしや地域のあり方を今、あらためて見つめ直すきっかけを与えてくれる。
第2部 <活動事例発表>権座・水郷を守り育てる会,水茎町夢の郷委員会,まちづくりスペース「水と風と土・そして人と」 <交流会>飲み物とケーキでほっとな時間
☆関連企画☆ 写真展「琵琶湖の上流・永源寺から母なる淡海までを繋ぐ」(3月中旬〜4月末常設展示,企画:喫茶&工房 萌黄)
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09.3.21「菜園家族」構想から学ぶ in 近江八幡・チラシ【表】
ダウンロードはこちらへ[PDF 560KB]
09.3.21「菜園家族」構想から学ぶ in 近江八幡・チラシ【裏】
ダウンロードはこちらへ[PDF 359KB]
さて、当日は、青空の美しい春日和に恵まれました。
湖岸道路を通り、うららかな春の農村風景と、近江八幡のどこか懐かしい町並みを眺めながら、会場にむかいました。
鈴鹿山中・大君ヶ畑(おじがはた)での寒く長い冬を、今年もようやく越すことができた・・・、という実感が胸に沸いてきます。
1年ぶりに訪れた真崎ホールの入り口には、西村さんがご準備された見事な枝振りの春らしい黄色と桃色のお花が、落ち着いた町家に明るく映えていました。
中に入ると、中島さんがこの数年間、撮り貯めてこられたという、四季折々の自然が美しい、永源寺と八幡堀の写真が展示されていました。白い壁と焦げ茶色の柱や梁に映え、以前とは見違えるように生き生きとした空間に様変わりしていました。
中島さんは、お勤めを終えられたご主人とともに、永源寺の山中にログハウスを建て、喫茶&工房「萌黄(もえぎ)」(東近江市黄和田町18-33)を主宰されておられるのです。
この日の「交流会」では、中島さんの娘さんが焼かれた、やさしいおいしさの手づくりケーキ(米粉のシフォンケーキやチョコレートケーキ)でティータイム。ご参加のみなさんの笑顔がこぼれました。
準備期間が短かったにもかかわらず、町家ホールがいっぱいになるほどたくさんの方々が集まられ、驚くとともに、嬉しかったです。
講演内容の理解を深めるために、いつもは『四季・遊牧』から一部上映することが多いのですが、今回は、集いの趣旨により近づけたものを・・・と考えて、『ハローニッポン 伝えたい!田舎で暮らす素晴らしさ〜ジェフリー・アイリッシュさん(アメリカ)〜鹿児島県川辺町』(20分、NHK総合テレビ2001年5月25日放送)を選んでみました。
みなさん、画面に登場するジェフさんや「まっこおばん」の素朴であたたかい言葉、そして、ジェフさんが地元の農村地域の人たちに自然体で溶け込んでいく姿に、すっかり感心して見入っておられました。
この集いのご参加者は、近江八幡近在の農家のおじさんやおばさん、そして地域活動に取り組んでおられる市民グループの方々が多かったので、番組の内容になおさら共感されたようで、和やかな笑い声に包まれたよい上映になりました。
この『ハローニッポン』の番組は、『四季・遊牧』上映活動や「菜園家族」構想の学習会に関連して、10年来お付き合いのあるNHKディレクター香川史郎さんの作品です。
ジェフさんは、番組から8年経った今も、同じ川辺町で、当時と変わらぬ牛の見張り小屋に暮らしておられるそうです。
後日、ジェフさんに、この近江八幡での集いの様子をお知らせしようと電話を入れたところ、たいへん喜んでおられました。
集いの様子が掲載された翌日の京都新聞(09年3月22日付)
(記事の内容はこちらでお読み下さい。)
活動事例報告では、近江八幡の水茎町や権座で、現在の農村地域に共通する問題を何とか乗り越えようと、地域外の方々とも連携しながらご奮闘されている様子を知り、たいへん勉強になりました。
この日、権座の活動について、サポーターを代表して、目的や経緯、活動内容などを、とても分かりやすく説明して下さった小関皆乎(みなこ)さんは、もともと大阪の方ですが、近江八幡の魅力に惹かれ、こうした取り組みに参加されるようになったそうです。
小関さんは、同じ近江八幡市内の仲屋町元の空き町家を改装し、陶芸や竹工芸を学べるほか、宿泊や食事もできる滞在型工房「八幡酒蔵工房」(現在計画中)の代表としても活動されているそうです。
(※今回の集いについて、小関さんが「権座・水郷を守り育てる会ブログ」に書かれています。こちらをご覧ください。)
今、100年に一度とも言われる未曾有の世界経済危機の中にあって、地域の自然、農に根ざした暮らし、人と人とのつながりの再生をめざすこうした市民のネットワークが広がり、新しい未来を開く確かな力に展開してゆくことを願うものです。(伊)
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