Nomad image

::::ホーム::::掲示板::::メール::::リンク::::
緊急提言への反響
メモランダム風に
「あきらめるにもあきらめられない
―東日本大震災から3ヵ月が経って―」(2011.6)Nomad image
「あきらめるにも
あきらめられない」への反響
『菜園家族宣言―静かなるレボリューション―』
研究部門1
研究部門2
研究部門3
研究部門4
文化・発信部門1
文化・発信部門2
文化・発信部門3
文化・発信部門4
文化・発信部門5
文化・発信部門6
文化・発信部門7
文化・発信部門8
交流部門1


Nomad image メモランダム風に

   あきらめるにも

     あきらめられない


    ― 東日本大震災から3ヵ月が経って ―

                小貫雅男
                伊藤恵子

               (2011.6.11更新)Nomad image
 


             ■全文のPDFダウンロード(89KB、A4用紙18枚分)

            ☆このメモランダム風小文への反響はこちらへ!

            ☆緊急提言「東日本大震災から希望の明日へ」はこちらへ!



   東北の
   まだ寒さ厳しい
   早春の昼下がり
   三陸の海辺の町々を襲った
   巨大津波

   無表情なまでに
   無慈悲に
   無頓着なまでに
   悠々と
   死者の無念の思いを
   容赦なく呑み込み
   すべてを
   跡形もなく
   押し流していった

   フクシマ原発は
   最悪の事態に陥り
   テレビで繰り返される
   専門家の解説とは裏腹に
   すでに早々と
   メルトダウンを起こしていた

   目に見えぬ
   放射性物質は
   風に乗って飛散し
   雪や雨とともに地に降り
   人々の身体を
   ふるさとの山河を
   母なる海を
   人間の精神を
   深く深く
   蝕んでいった

   一瞬のうちに襲った
   不安と恐怖の
   底知れぬ
   深い闇に
   すべてが沈んでいった

   2011年3月11日
   14時46分
   そこには歴史をくっきり分ける
   確かな境があった

   あれから3ヵ月
   強烈な記憶は
   しだいに薄れ
   人々が
   また元の意識に戻ると
   政治家や財界、官僚や御用学者・・・からは
   「より安全な原発」をめざすという声が
   早や聞こえてくる

   「より安全な原発」なんて
   本当にあるのか
   いったん事故を起こしたら
   計り知れなく甚大な
   取り返しのつかない
   被害を及ぼす

   原発の安全とは
   幻想に過ぎないのではないのか
   このことをフクシマ原発事故が
   ついこの間、日本中を震撼させた恐怖と
   ふるさとを追われた人々の
   今なお続く深い悲しみや苦しみを通して
   教えてくれているはずだ

   それでも
   「日本の原発は安全です」
   「電力が不足します」などと繰り返し
   またもや札束で
   地域住民をだますのであろうか

   ビッグバンによる
   宇宙誕生から137億年
   広がりゆく無窮の宇宙に
   地球が生まれてから46億年
   この地球の太古の海に
   原初の生命があらわれてから38億年
   気の遠くなるような歳月をかけ
   大自然界が多様ないのちをはぐくみ育て
   連綿と続く生命の進化の果てに
   最古の人類があらわれてから300万年

   この宇宙の
   悠久の歴史の深奥にあって
   物質世界と生命世界の
   生成・進化のあらゆる現象を貫く
   もっとも普遍的な
   「適応・調整」(自己組織化)の原理
   この自然の摂理に
   ただただ畏敬の念を抱かざるをえない

   原発は
   この大自然界を貫く摂理に背き
   世界でもっとも単純で
   もっとも美しいと言われている
   アインシュタインの数式
   E=mc2(エネルギーE、質量m、光速c)どおりに
   きわめて人為的に
   自然から
   途方もなく巨大な核エネルギーを引き出し
   実用化に成功したかのように見えた

   しかし
   この「夢のエネルギー」は
   それに伴って
   これまた想像を絶する
   大量の放射性物質を発生させる
   さらには
   危険きわまりない使用済み核燃料は
   最終処理の行き先すらまだ決まっていない
   反自然的この異物を
   自然界に再度人為的に戻すことは
   これまた自然の摂理に背く行為なのだ

   計り知れなく高密度
   かつ巨大なエネルギーを
   人為によって
   局所的につくり出すこと
   これ自体がもともと自然界に背いた
   犯罪的行為ではないのか

   呪われ産み落とされた
   恐るべき反自然的異端のこの怪物を
   人智によって閉じ込め
   制御し、抑制するには
   引き出された巨大エネルギーに見合う
   あまりにも大きな代償が必要とされる
   得体の知れないこの怪物を閉じ込め
   制御し、抑制する機械・装置システムそのものが
   果てしなく複雑かつ巨大化していかざるをえない

   予測つかぬ外的要因に触発され
   偶発する原発事故の原因すべてを
   あらかじめ人智によって想定すること
   それ自体に限界がある
   完全な形での安全性を求めること自体が
   どだい無理なのだ

   原発がひとたび事故を起こした時
   その被害は
   これまでのいかなる機械・装置とも比べようもなく
   はるかに甚大になる

   人間社会を破局に至らしめる
   最悪のリスクを伴う原発が
   安全であるとする考え方そのものが
   この超巨大エネルギー
   この巨大システムの本質上
   成立しないのである

   放射性物質が
   一旦ばらまかれたら
   被害の大きさは
   空間的にも時間的にも、そして社会的にも
   計算不可能な無限大になってしまう
   したがって起きる確率が
   どれだけ小さくても
   ゼロでない限り
   リスクは無限大になる

   原発推進者ですら
   原発の事故が
   ゼロであるとは断言できない
   だから、原発の立地を
   人口過密の大都市を避け
   海辺の過疎の農村に
   押しつけるのではないのか
   この点で原発は
   他産業の事故とは
   本質的にまったく違う

   フクシマから
   身をもって学んだことは
   事故が起きたら
   その被害は無限大であるから
   起きる確率が
   どんなに小さくても
   ゼロであると断言できない限り
   やってはならないということなのである

   原子力ビジネスの
   国際競争が激化する中
   核燃料の原料ウラン鉱の開発によって
   大地を荒らされ
   核廃棄物の貯蔵・最終処分を押しつけられる
   モンゴルのような
   「世界の辺境」の人々を思えば
   なおさらだ

   3・11のこの恐るべき事態におよんでも
   「日本の原発は安全です」と
   原子力工学の専門家をはじめ
   評論家や御用学者
   財界や政治家や官僚が
   なおも強弁するとなれば

   それは
   現世のちっぽけな私利私欲に惑わされ
   わずかな良心をもかなぐり捨て
   まさに非科学的な見解に立った
   恥ずべき犯罪的行為と言わざるを得ない

   それは
   国民大多数のいのちに背を向けた
   「原子力ムラ」のエゴの論理に過ぎない

   今は亡きロッカー
   忌野清志郎(2009年5月2日死去、享年58)は
   2011・3・11 フクシマ
   この恐るべき事態を
   知っていたかのように
   サマータイム・ブルース(1988年発表)の中で
   「それでもテレビは言っている
   “日本の原発は安全です” 」
   と哀調さえ帯びた
   戯謔的なフレーズを繰り返し
   ずっとずっと前から
   原発推進に
   果敢に警鐘を鳴らし続けた

   清志郎がこの世を去ったまさに今
   多くの若者は
   このロッカーが貫いた勇気ある行動に
   共感と尊敬の思いを寄せている

   大震災から2ヵ月後

   忌野清志郎の三回忌にあたる5月2日
   東京・日本武道館で開催されたスペシャルライブに
   黒柳徹子はビデオメッセージを寄せ
   「あなたが20年以上前から
   反原発の歌で
   真剣に訴えていたことの重大さを
   私たちは分かっていませんでした」
   と涙ぐんでいた
   サマータイム・ブルースが歌われると
   1万2,000人超満員の観客は総立ちになったという

   不条理にも突如、襲いかかり
   今も続くこの逆境の中
   それでも人は
   ぐっとこらえ
   生きようとする

   人間を取り戻し
   家族の再生を
   地域の復旧と復興を願い
   深い闇に差し込む
   微かな光に
   一縷の望みをかけ
   懸命に生きようとする

   このささやかな祈りにも似た思いに
   立ちはだかり
   阻むものは
   いったい何なのか
   その正体が
   ようやく見えはじめてくる

   人間の本性に深く根ざした
   何ともしようのない
   市場メカニズムによって
   欲望を拡大し
   自己増殖を際限なく繰り返しながら
   肥大化していく
   この無気味な妖怪

   影をひそめたのも束の間

   人間自身の欲望によって築きあげられた
   この巨大な自己増殖のシステムは
   いよいよ世界に君臨し
   正体もあらわに魔物の如く
   地上をわが物顔に徘徊し
   ついには人間自身をも
   ことごとく虜にする

   何と悲しいことか
   人間は自らが築いた
   この巨大なシステムから
   そして人間の業から
   容易に逃れられない

   「省エネ」とか
   「低炭素社会」とか
   これまでのように
   「エコ」「エコ」と騒ぎ立て
   科学・技術にのみ
   どんなに力を傾注しても
   それはまったくの片手落ちである

   欲望の自己増殖を際限なく続ける
   浪費が美徳の
   市場競争至上主義
   アメリカ型「拡大経済」を
   根源から問い直すことなく
   そのまま放置しておく限り
   結局、そのもとでは
   科学技術は人間の欲望の増幅に
   与(くみ)するだけで
   市場競争はいよいよ
   世界規模で熾烈を極めていく

   今までよりもっともっと大がかりに
   人間精神の頽廃
   自然破壊
   社会破局の
   恐るべきスパイラルへと
   拍車がかけられていくにちがいない

   時間が経ち
   人々の記憶が
   忘却の彼方へと
   薄れていくのを見計らい
   またもや
   「日本の原発は安全です」と
   のたまいながら

   今度は
   もっともっとずる賢く
   「成長戦略のためには
   自然エネルギーも増やします
   電力の安定供給には
   原発も必要です
   みなさん、節電も大切です
   さもなくば、大規模停電が起きます
   日本の経済は停滞します
   国際競争にも負けます
   雇用も悪化します・・・」
   と並べ立て
   なし崩しにズルズルと
   原発を国民に押しつけていくのであろうか

   これまでに幾度となく
   繰り返されてきた
   その場凌ぎの優柔不断が
   今度こそは
   取り返しのつかない
   恐るべき事態に
   すべての国民を
   世界の人々を
   巻き添えにしていく

   3・11の逆境の中
   不安と恐怖の
   底知れぬ深い闇の中に
   ついに見たものは
   人間の持つもう一つの本性
   つまり
   心優しい
   いたわりの
   分かちあいの
   精神ではなかったのか

   もう一度でいい
   あきらめず
   今度こそはと
   多くの人々は
   自分自身をしっかり見つめなおし
   子や孫の未来に思いを馳せ
   希望の明日を見出したいと願っている

   だから人は
   じっとこらえ
   今日を生きようとするのだ

   人間の幸せとは
   いったい何だったのか
   3・11 東日本大震災の
   あのどん底の中
   助けあい
   懸命に生きる人々の姿

   被災地から遠く離れた
   都市や農山村でも
   人々の価値観は
   大きく変わろうとしている

   3・11は時代を画する
   分水嶺となり
   それは
   新しい時代への転換を決定づける
   大きなうねりとなって
   やがて時代を変えていくにちがいない

   時代の流れに取り残され
   変わらぬものは
   永田町の「政治ムラ」ではないのか

   どれもこれも旧態依然たる
   似たり寄ったりの政策を競い
   「政治ムラ」のちっぽけなコップの中で
   挙げ足取りに終始している

   ことあるごとに
   「被災地のため、国家国民のため」
   と呪文を繰り返しながら
   私利私欲に駆られ
   国民そっちのけで
   権力抗争に明け暮れている

   どいつもこいつも・・・と言えば
   失礼な言い方かもしれない
   また、不正確になるのかもしれない
   しかし、与野党を問わず
   ほとんどの国会議員が
   こんな体たらくを繰り返している

   国民は
   被災地不在の、国民不在の
   この醜態を
   今度こそは
   嫌というほど見せつけられた

   いつかは
   国民の総意によって
   議会から
   こうしたすべてを一掃し
   新しい風を吹き込まない限り
   どうにもならないところにまできている

   多くの国民は
   憤りを感じながら
   このことを
   じつに長きにわたる
   自らの体験から考えはじめた

   3・11以後
   原発の
   あまりにも大きなリスクに
   多くの人々が気づいた今
   一日たりとも猶予ならぬものは
   エネルギー政策の根本的転換

   そして何よりも
   その土台となる
   社会・経済のあり方
   生産と暮らしのあり方そのものを
   根源から変えていくことであるはずだ

   長期展望に立つ
   社会のあり方の
   この主要な選択的テーマが
   遅かれ早かれ、否応なしに
   国民的議論の争点の
   基軸にならざるをえない

   それは、究極において
   18世紀産業革命以来
   母なる大地から引き離され
   ついには根なし草同然に成り果てた
   賃金労働者という
   人間の存在形態によって
   埋め尽くされてきた
   資本主義社会の
   生成・進化・衰退の
   最後の歴史的段階ともいうべき
   市場競争至上主義の
   無慈悲なアメリカ型「拡大経済」社会に
   今なお固執するのか

   それとも
   「菜園家族」型ワークシェアリングによって
   ふたたび大地を取り戻した人々が
   限りある資源を分かちあい
   支えあい
   ともに生きる
   人間性豊かな
   脱原発の
   自然循環型共生社会へ
   今こそ転換するのか

   この二つの
   いずれかの選択にならざるをえない

   被災地の真の復興構想も
   今やこの議論をぬきにしては
   考えられないはずだ

   東日本大震災と
   フクシマ原発事故という
   この未曾有の危機に直面し
   これほど大きな歴史的岐路に
   立たされているにもかかわらず
   この国の為政者たちの考えは
   旧態依然として
   本質的に変わらず
   驚くほど安穏としている

   3・11以後
   国民の意識からは
   いよいよかけ離れ
   勝手気ままに振る舞う
   その無神経さに愕然とする

   永田町「政治ムラ」のコップの中の
   些末な争点が
   国民全体の争点であるかのように
   すりかえられ
   まさにこのすりかえられた
   偽りの構図を
   政・官・財・学、それにマスメディアが
   一体となって
   支えてきた歴史ではなかったのか

   よく言われているような
   衆参での与野党の議席数のねじれが
   問題なのではない
   本質的には
   それは取るに足らない
   小さな問題だ

   もっともっと本質的で重大な問題
   それはまさに
   国民と議会との決定的な乖離であり
   ねじれであり
   それを偽りの構図にすりかえ
   国民をあざむき
   これを長きにわたって放置してきた
   そのこと自体なのである

   すりかえられた
   この頑強な偽りの構図を
   崩すことができるのは
   議会内での
   小手先の駆け引きなどではない

   それは
   長い道のりになるが
   3・11後の
   新たな分水嶺によって形成される
   新しい理念
   新しい思潮であり
   森と海を結ぶ流域の広がり
   つまり、人が働き暮らす身近な地域での
   自然融和の
   地道な地域づくりなのではないか

   それを可能にし実現する
   究極の力は
   脱原発の
   自然循環型共生社会という
   21世紀の遠大な目標に向かって
   共に歩み出す
   人々のたゆまぬ営為である

   それはほかでもない
   無権利状態に放置され
   不安定労働に悩み苦しみ
   果てには使い捨てにされる
   パートや派遣労働などのワーキングプア

   成果主義のもと
   過重労働とリストラの不安に晒され
   心身を病む正社員たち

   職業人生のスタートでつまずき
   明日をも見出すことができず
   絶望と孤独のうちにさ迷う若者たち

   さらには
   競争に勝ち残った強者だけが
   大手を振ってまかり通る
   非情の世界で
   巨大化の波に呑まれ
   もがき圧しつぶされていく
   農林漁業者や
   商・工の家族経営や
   中小・零細企業者

   そして
   自然や家族や地域を失い
   競争教育にかき立てられ
   苦悩する子どもたちや親たち

   福祉・年金・医療・介護など
   庶民の最後の砦となるべき
   社会保障制度が破綻する中
   無縁社会の片隅で
   孤立していく高齢者たち・・・

   社会の不条理に苦しむ
   これらすべての人々の
   切なる願いによるものなのだ

   いのち削り
   心病む
   終わりなき
   市場競争に翻弄され

   諦念と
   反転への思いが
   錯綜する
   長い苦悶の中から
   人々は
   いよいよ覚醒の時代へと
   動きはじめる

   しかしこうした動きには
   「人々を分断し、統治する」
   を旨とする
   得体の知れない
   巨大なシステムが
   立ちはだかり
   多くは
   雲散霧消の運命を辿る

   それでも人々は
   記憶の底に深く眠る
   人類始原の
   古き連帯の心を
   呼び醒まし
   いつの間にか
   ズタズタに分断され
   弱り果てた
   自らの力を
   人々の絆を
   何とか取り戻そうとする

   ゆっくりではあるが
   力を合わせ
   支えあい
   希望の明日に向かって
   歩みはじめるのだ

   3・11
   まさにここからはじまる
   この新たな運動は
   第二次世界大戦下の
   フランスやイタリアで
   人々が
   小異を捨てて
   大義のもとに結集した
   あの勇気ある
   反ファシズム統一戦線を
   彷彿とさせる

   それはまた
   戦後日本の廃墟の中から
   新しい明日を夢見て
   村々や町々に芽生えた
   子どもたちや大人たちの
   のびやかな動きを
   明るい姿を想い起こさせる
   一大国民運動へと展開していく
   大きな可能性を秘めている

   歴史的とも言うべき
   この与えられた可能性を
   今、生かすことができずに
   一体いつ
   生かすことができるというのであろうか

   今ではすっかり忘れられ
   葬り去られた
   世界史の記憶が
   そしてかつての国民的体験の記憶が
   行き詰まった
   この時代の苦悩の中で
   しだいに甦り
   子どもたちや若者から
   高齢者に至るまで
   新たな形で世代を結び
   今ようやく
   ゆっくりではあるが
   力強く動き出そうとしている

   欲望で凝り固まり
   怪物のように巨大化した
   この不条理のシステムに
   別れを告げ

   母なる大地に抱かれた
   人間らしい
   おおらかな暮らしをめざし
   今こそゼロから
   いのちの根源から
   出直さなければならない

   それは
   人類始原の
   自由・平等・友愛の
   自然状態への回帰と止揚を
   想起させるに足る
   壮大な動きである

   せせこましい
   現代巨大工業社会の廃墟の中から
   それ自身の否定によって
   田園の牧歌的情景への回帰と
   人間復活を夢見て

   家族が共に
   つつましく生きる
   農ある暮らしと
   繊細にして強靱な
   素朴な精神世界を
   取り戻すのである

   それは
   人々が支えあい
   助けあい
   共に生きる
   心豊かな
   分かちあいの社会
   自然循環型共生の
   おおらかな世界に
   生きることなのだ

   3・11は
   私たち人類に
   進むべき道の選択を迫っている

   この宇宙の無窮の時空の中
   大自然界を貫く摂理に
   背くことなく
   あきらめないで
   力強く歩めと
   行くべき道を照らしている

   すべては
   ここからはじまる

   未来への思いを
   ゼロから一つひとつ積みあげ
   築きあげ
   流す汗から
   流れる涙から
   誠実な心から
   希望の明日は見えてくる

   それでもまだ
   この世は
   どうにもならないと
   言うのであろうか

   あきらめるのは
   まだ早いような気がする


 

                        2011年6月11日

                    琵琶湖畔、鈴鹿山中大君ヶ畑にて

                         小貫雅男
                         伊藤恵子

                里山研究庵Nomad

                〒522-0321 滋賀県犬上郡多賀町大君ヶ畑452番地
                TEL&FAX:0749−47−1920
                E-mail:onuki@satoken-nomad.com
                http://www.satoken-nomad.com/

 

下記の文書と本をあわせてご一読いただければ幸いです。

 ◎印は、当方のホームページに公開中。まずは気軽にお読み下さい。
 ◇印は、公刊された本。さらに内容を深めたい方は、時間をかけてお読み下さい。

◎ 緊急提言「東日本大震災から希望の明日へ ― 大地に生きる人間復活の道は開かれている ―」(小貫・伊藤、里山研究庵Nomadホームページ掲載、PDFファイル、A4用紙23枚分、2011年4月26日)

「菜園家族宣言 ― 静かなるレボリューション ―」(小貫・伊藤、里山研究庵Nomadホームページ掲載、PDFファイル、A4用紙92枚分、2010年12月8日更新)

『菜園家族レボリューション』現代教養文庫(小貫、社会思想社、207頁、2001年)

『森と海を結ぶ菜園家族 ― 21世紀の未来社会論 ―』(小貫・伊藤、人文書院、A5判・448頁、2004年)

『菜園家族物語 ― 子どもに伝える未来への夢 ―』(小貫・伊藤、日本経済評論社、A5判・371頁、2006年)

『菜園家族21 ― 分かちあいの世界へ ―』(小貫・伊藤、コモンズ、四六判・256頁、2008年)

◇ ブックレット『森と湖(うみ)を結ぶ 菜園家族 山の学校』(小貫・伊藤、里山研究庵Nomad、A5判・114頁、2009年)

 

 

*
Copyright (C) Nomad,All Rights Reserved.